肩こりになやんだことはないでしょうか。オフィスで働く日本人で肩こりに悩まされたことの無い人はほとんどいないといっても過言ではないでしょう。長い時間パソコンの前で同じような姿勢をとっていると、肩から首にかけて張りを覚えたり、肩ががちがちに固まったようになったり、凝りすぎて痛みを感じる人の数はかなりのものです。。また加齢によって発生する四十肩という症状もあるとおり、日本人は昔から肩こりや肩の痛みと付き合ってきた人種といえます。そのような肩こりなどに代表する症状を治療してくれる職業に鍼灸師(しんきゅうし)があります。鍼灸師は旧来より視覚に障害を持つ人のための職業という性格がその成り立ち上色濃く残っていますが、現在においては視覚に障害を持たない健常者による資格取得も増えています。もっとも、同じ法律(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律)によって定められたあん摩マッサージ指圧師に関していうと、健常者向けの教育施設の数が少ないため、実質的には視覚障害者による資格取得が大半となっています(健常者でも資格を取得することは可能です)。資格としてははり師ときゅう師に区分されていますが、実際は同じ教育施設の過程で学習することにより両者の受験資格を取得することができるので、同時に取得し鍼灸師と名乗るケースが一般的となっています。治療行為自体は医療類似行為とされていて、医師が行う医療行為とは明確に区分されていますが、場合によっては健康保険が適用される症状もあり、利用者にとっての利便性が計られています。

鍼灸の治療費と保険診療

鍼灸師は自由診療となっていて治療費は自由に設定することができます。肩こり、腰痛、四十肩などは現代社会では典型的な症状で患者も多いことから、専門的に治療を行う人もいます。治療費に保険が適用される症状としては、腰痛、リューマチ、神経痛、四十肩、頸肩腕症候群、外傷性頸部症候群等があります。ただし、保険適用にするためには医師の診断書、同意書を出してもらう必要があります。はり師、きゅう師の資格を取得するためには国家試験を合格する必要があります。試験の受験資格は視覚障害のない健常者の場合は国が認定した教育施設で三年以上(視覚障害者の場合は五年以上)の教育を受けることとなっています。視覚障害者としての条件は視力(矯正後)が0.3未満またはその他の障害がある場合です。このように、障害の度合いによって教育機関がことなるため、教育課程は三年制の短期大学と専門学校、大学、盲学校、視力障害者センターがあります。四年生の大学は少数ながら増加する傾向にあり、明治国際医療大学、関西医療大学、帝京平成大学、鈴鹿医療科学大学、森ノ宮医療大学等があります。三年生の専門学校には昼夜のコースをもうけている学校もあり、社会人として働きながら資格取得を目指すこともできます。学習内容ははりときゅうの知識および技術の習得が目的ですが、教育施設ごとにその性格はさまざまで、入学前に自分が目指したい鍼灸師としての方向性とあわせて十分に検討することが重要となってきます。最近では西洋医学との融合を目指す教育機関も増えています。

鍼灸師になるには

認定された教育機関に入学するためにはもちろん入学試験に合格する必要があります。ほとんどの教育機関では基礎的な学力を判定するための学科試験と、鍼灸師として仕事をするうえでの心構えや意欲などを判定するための面接試験、論文による試験などを採用しています。また、多くの場合独立開業を目指すことになるので、地域医療の一端を担うという重責を果たせるかという意味で体力的に鍼灸師として十分であるかという目的で健康診断を行う学校も多くあります。養成教育の内容は、教育機関ごとに異なっていて、四年制大学であれば一般教育課程等もありますが、実践的な養成を行うため、実地見学や実習の時間が多いのが特徴です。所定の単位を取得し教育を修了すれば国家試験の受験資格を手に入れることができますが。試験の合格率は8割程度であって、同程度の教育期間がある国家試験としてはやや厳しい試験ということがいえます。従って、在学中に鍼灸師としての実務を学習するのと同時に試験対策も怠り無くする必要があります。合格後、厚生労働省の名簿に登録する手続きを行い、免許証を交付されると晴れて鍼灸師として治療行為を行うことができます。免許を取得すれば開業もできますが、経験を積むために開業している鍼灸院で2,3年は下働きをして、暖簾分けのような形で独立するケースも多いようです。最近では足つぼマッサージなど各種メニューをそろえたリラクゼーションクリニックのような形態の事業もあり、そういった新規事業所へ就職するケースも増えてきています。