看護師さんをさして白衣の天使という表現は最近はちょっと似合わないことになってきました。というのも、以前はナース服といえば純白のものが当然だったのですが、現在では白衣は患者に対して圧迫感を与えるという効果もあることから、淡い色の付いた制服を採用する病院が増えているからです。とはいえ、入院患者からすると不自由な入院生活で看護を行ってくれる女性スタッフはまさに天使に他なりません。しかし最近は看護師さんといえば医療ミスやマスコミなどで「たらいまわし」と呼ばれる受け入れ拒否問題、または外国人看護師の受け入れなど、決して良くない面の報道が目立ちます。しかし、新聞の折り込みチラシなどを見てみると看護師という資格がいかに就職に有利かということがはっきりと判ります。交替勤務ありのフルタイムから、小さな診療所のパートタイムまで、資格を持っていれば就職難といわれる現在でも選び放題の職場があります。しかも、不況になると人気が集まる公務員にも、看護師または准看護師資格を持っていれば実に簡単になることができるのです。地方自治体が運営する病院では慢性的に人手不足で、中途採用などは面接と論文のみの提出で即合格というところもあります。特に公務員は民間の病院や介護施設などで働いていても職歴として認められる可能性が高いので、一般企業に比べて給与面の待遇は悪くありません。自治体によっては公務員の手当てを削減する方針もありますが、それはいかに恵まれているかの裏返しでもあります。福利厚生面や労働環境は恵まれています。

就職に強い資格

ではなぜ看護師や准看護師はそのように引く手あまたなのでしょうか。ひとつには資格取得をするためには看護師で最低3年、准看護師で2年専門教育を受ける必要があり、所定の単位を取得後に国家試験に合格する必要があります(准看護師は都道府県知事による試験)。試験自体はまじめに勉強していればほとんどの人が合格するレベルですが、専門教育を実施できる学校(高等学校、専門学校、短期大学、四年制大学)の数と定員が限られています。従って、いきなり看護師の数を増やそうと思ってもできないのが現実です。次に、労働環境の苛酷さがあげられます。病院という施設には入院患者があり、また救急患者の受け入れのために24時間態勢で医療が行われています。従って、多くの病院では看護師は三交替(あるいは二交替)の勤務体制をとっています。当然休日は不定期ですし、年末年始やお盆にも出勤することがあります。以前は看護婦という名称が当たり前のように、ほとんどが女性の資格でした。最近では男性の看護師も増加してきましたが、女性の場合出産、子育てをしながら交替勤務を継続するのは難しいため、若くして退職する割合が非常に多いのです。しかし、一度資格を取得してさえいれば、出産して子供が小さいうちは小規模な診療所等でパートなどで働き、子供が成長し手がかからなくなったら交替勤務ありのフルタイムに復帰するなど、就職口には困ることがありません。景気の波に左右されることも無いので、状況に応じて働き方やライフスタイルを柔軟に対応できる職業ということも言えます。

看護師・准看護師になるには

それでは、看護師・准看護師になるためにはどうすれば良いのでしょうか。まずは指定教育機関に入学することが必要であり、それが最大の難関です。看護学校(または短期大学、大学)の入学試験の競争率はおおむね5倍程度で、大学等ではさらに高い競争率になることがあります。看護大学であれば就職後も学歴が大学卒となるので、給与面でも優遇されるのが一般的です。試験には一般入試と推薦入試があり、推薦入試は一般の受験と同様に、学業が優秀である場合に実施されるもので、面接と論文による試験が多いようです。一般入試の場合は学校によっても試験範囲・科目が異なりますが、基礎的な学力ばかりでなく、将来的に看護師として働くための適性や意欲を調べるため、こちらも面接や論文形式の試験を重視する学校も増えています。また、現在准看護師となるための教育施設自体は減少する傾向にありますが、最短で二年間で資格を取得できるため、できるだけ早く働きたい場合の選択肢としまだまだ人気もあります。実際に医療の現場においては正看護師と業務内容は大差ありません。それとは逆に、医療の高度化に伴い四年生の看護大学は増加する傾向にあります。しかし同時に競争率も高いので自分の将来をしっかりと見据えて教育施設を選ぶことが重要だといえます。教育機関で卒業見込みとなった場合資格試験を受けることになりますが、合格率はおおむね9割前後です。まじめに勉強をしていればまず合格するのは難しくありません。試験に合格し卒業すれば看護師として働き始めることになります。