保育士とは、児童福祉施設(保育所、保育園等)において児童の保育に従事するものの国家資格の名称です。以前は女性の職業とされ保母(ほぼ)とよばれていましたが、男性の保母(保父と呼称)の増加もあり保育士と改められました。保育士の主な就職先は当然保育園(保育所)となりますが、認可の有無、公営私営の別、夜間保育など多様な活躍の場が広がっています。保育士の資格を取得するには二通りの手段があります。一つは保育士養成専門学校などの養成施設に入学し、所定の単位を修了して卒業することにより保育士となる方法です。もう一つは保育士試験に合格することにより保育士資格を取得することです。養成施設の入学試験の受験資格は高等学校卒業程度となっています。養成施設の形態は専門学校、短大、大学、保育士養成施設とさまざまです。大学以外は2年から3年制になっていますが、最近では3年制の養成施設が増加してきています。夜間コースは短大、大学、専門学校にあり、短大、大学では通信コースもあるので、自分の状況を考慮して選択することが可能です。また、中には幼稚園教諭免許を同時取得できる学校もあります。これらの保育士養成施設を卒業して保育士を目指す場合、入学金、学費など経済的な負担が大きい一方、保育士として必要な技能(保育技術にはピアノや歌唱も必要!)や知識などが体系的に学べる、実質2年間真剣に勉強をすれば確実に保育士資格を取得することができるので、進路として保育士を目指すのであれば一番の近道といえます。

国家試験を受験して保育士資格を取得する

保育士の国家試験に合格して資格取得を目指す場合、受験資格は大学、短大、高専卒業、大学で2年以上在籍と62単位以上の修得などの学歴と、高校卒業後2年以上の実務経験などがあります。養成施設以外に在学、又は卒業していて保育士を目指す人、経済的に余裕が無く進学せずに保育施設等で就労しながら保育士資格を取得する際には有効な選択肢となります。国家試験は毎年一回実施されます。試験は筆記試験と実技試験に分かれていて、筆記試験の合格者のみが実技試験を受験することが出来ます。筆記試験は例年8月の前半に二日間、実技試験は10月の中頃に一日の日程で実施されます。筆記試験は平成16年度以降、それまであった論述や記述式の問題がなくなり、10科目全問がマークシート方式の多肢択一式、正誤判定式、組み合わせ式等になりました。筆記試験の合格率は10パーセントから15パーセントとなっていますが、科目合格制を採用しているため、3年間かけて資格取得を目指すことも可能です。実技試験は音楽、絵画制作、言語、一般保育のうち3科目が出題され、その内2科目を選択して受験します。あらかじめ課題などが公表されているので、しっかりとした準備をしておけばまず合格する試験と言ってよいでしょう。合格基準は筆記、実技共に60パーセント以上となっています。但し、発達心理学と精神保健、教育原理と擁護原理はそれぞれ2科目で1科目という扱いなので、一方の科目で合格基準に達していないともう一方の科目も不合格となるので注意が必要です。

試験の免除制度と就職の情報

保育士試験には他の資格を所有している等の条件による免除制度があります。幼稚園教諭免許を取得している場合、筆記試験の発達心理学、教育原理、保育実習実技の免除を受けることができます。また厚生労働大臣が保育士試験の科目免除に指定した学校、その他の施設で指定科目を履修し卒業した場合、該当科目全てが免除されます。試験に合格した場合、資格を取得するためには登録の申請を個人で行う必要があります。この登録申請は養成施設を卒業する場合は学校を経由して行います。申請書に必要事項を記入し、登録事務センターに郵送します。都道府県の審査を経て、問題が無ければ都道府県知事より保育士証が交付されます。資格を取得して就職を目指す場合、取得方法により就職活動は大きく異なります。養成施設を卒業して就職をする場合は、新卒者向けの求人が学校に大して直接募集されたり、公営施設の求人情報なども学校が一括して調べてくれることが多いので情報量においては非常に有利で就職活動もスムーズに進められることができます。一方、保育士試験に合格して資格を取得した場合は、ハローワーク、就職情報誌、自治体の広報誌などで情報収集を行う必要があります。試験の合格発表が11月なので、翌年度の採用を狙うほか、年度内の欠員補充の求人に応募する、派遣社員やアルバイトとして認可外保育所等に勤務しつつ競争率の高い認可保育所、児童福祉施設などの就職を目指すなどの選択肢があります。