栄養士・管理栄養士とは、その名のとおり栄養の(食の)スペシャリストです。そもそも栄養士とは終戦直後の日本の劣悪な食糧事情の中で、国民の栄養状況を改善するために法律によって定められた国家資格です。そのような成り立ちの為。栄養を如何にして摂取するかというところに重点が置かれていましたが、飽食社会といわれる今日においては、成人病の予防、ダイエット、過食症、拒食症などの為に適正な食生活を目指すための資格となっています。栄養士の資格自体は厚生労働大臣が指定した養成施設で2年以上学習し、所定の単位を履修し卒業すれば、都道府県知事の免許を受けることによってなることができ、いわゆる資格試験はありません。養成施設には専門学校、短大、4年制の大学ですが、多くは短期大学であることから資格者に占める女性の割合は非常に多いのが現実です。学校を卒業するだけで取得できるため、資格保持者は毎年2万人程度増加していますが、もちろんその全てが栄養士として仕事に従事しているわけではありません。しかし対照的にそのカリキュラムはかなり厳しく、4年制の大学であっても例外ではありません。また、通信制や夜間学校は無く、社会人が就業しながら取得するのは非常に困難です。経済的に余裕が少ない場合は、アルバイトをしながら2年制の専門学校で学ぶなどの選択肢となります。上位資格である管理栄養士になるには栄養士の資格が受験資格として必須なので、学校の選び方は実務経験のつみ方と併せて大変重要なものとなります。

管理栄養士試験の受験資格

管理栄養士とは、栄養士の上位資格であり国家試験を合格することにより取得できる資格です。受験資格は栄養士の資格を持っていることが第一条件で、養成施設の種別により実務経験を必要とする場合があります。4年制の管理栄養士養成施設を卒業した場合は実務経験は不要ですが、栄養士の養成施設の場合は1年から3年の実務経験を要します(2年制の養成施設卒業なら3年の実務経験、という具合に施設と実務経験を併せると最短で5年間かかるようになっています)。実務経験の定義は学校、病院、宿舎、食堂、食品加工、調理、製造会社等で栄養士として働いていることが条件となります(従って養成施設に通いながらアルバイトで栄養士のような仕事をしていても実務経験としては認められません)。「栄養士として」という定義は現場の実情からすると少々あいまいで、実際は調理員として採用されていても実務経験として認められうケースもあるようです。経験年数の計算方法は試験が行われる年度の3月31日までに必要な年数を経過していれ良いことになっています。また、この実務経験はパートやアルバイト等非正規職員の場合は週4日以上、一日6時間以上勤務していないと経験期間に参入されない場合があるので注意が必要です。従って最短期間で管理栄養士を目指すのであれば管理栄養士養成施設で学習しながら国家試験の対策を行うのがもっとも効率の良い方法となります。但し実務経験が不要な分調理実習や必修科目も多く、在学中は学業に専念できる環境にあったほうが望ましいといえます。

管理栄養士試験と就職

管理栄養士の試験は毎年3月の下旬に、北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、岡山県、福岡県、沖縄県で行われます。合格基準は問題の総得点の60パーセントの正解となっています。平成17年度より試験内容が大幅に改正され、以降の合格率は25〜35パーセントとばらつきがあります。試験問題は知識だけではなく知識に基づいて状況に応じた対応を試されるため、単なる暗記ではなく実践的な知識と考え方を身につける必要があります。国家試験に合格し管理栄養士の資格を取得した場合の就職先はさまざまです。資格手当を出す企業も多いので栄養士と同様の業務を行っても良いし、より配慮が必要な病院や老人介護施設等や、近年食育に力を入れはじめている教育分野(学校給食のほかに栄養士が授業を行うこともできます)、又はプロスポーツ選手向けの高度な栄養管理などさまざまです。特に高齢化社会が進む日本においては、老人ホーム、特別養護老人保護施設、デイケアセンター等老人介護施設における需要が高まっています。また、栄養管理にとどまらず施設における食の予算管理を任されたりすることがあるので、マネジメント能力など、幅広い能力と知識を要求される傾向が強くなってきています。 医療分野での業務も忘れるわけにはいかないでしょう。病院等に常駐する管理栄養士は、糖尿病、脂質異常症や高尿酸血症などを改善するのための食事療法の指導を行ったりします。広い分野での求人があるので、自分の能力と適性を考えて就職をすることができます。