デイトレーダーになるのは実に簡単なことです。50万円くらいの資金があってインターネットに接続でいる環境があれば後は証券会社に取引用の口座を作ればデイトレーダーと名乗ってもおかしくはありません。デイトレードとは、株式の売買を一日の間に完結し、翌日まで株式を保有したまま持ち越さない「日計り(ひばかり)」といわれる取引手法のことをいい、そういった取引手法で利益を狙う人のことをデイトレーダーと呼びます。取引手法も十人十色で、株式市場の開始と同時に購入し、終了時に売却をする人もいれば、買って2、3分、あるいは数十秒で売り抜けるようなスキャルピングといわれる超短期取引を繰り返す人もいます。このようなデイトレードをする人が増えた背景には、規制緩和とネット証券会社の台頭が主な要因として挙げられます。これまでは投資対象の有価証券として個人が長期保有するのが普通だった株の取引が自宅のパソコンの前で自由に行えるようになったのです。ホリエモンと呼ばれた元社長が経営していたライブドアが粉飾決算により株価が急落するまで、株価は一種のバブル状態にありました。素人であっても株を購入すれば自然と儲けがでるような相場で、大量の個人投資家が市場に流入した時期でもあります。しかしそのライブドアショックでは多くの投資家が資産を大幅に減らすなどして不安定な相場が続きました。そのような状態でも少数の優秀なトレーダーは生き残りましたが、その理由は持越しをしない日計り取引を行っていたのが大きいと言われています。

株式市場に参加する前に

2008年後半に始まったリーマンショックに端を発する世界的不況の波は、小泉政権当時から始まった好景気に投資を始めた人にとってはパニック以外の何ものでもありませんでしたが、同時に連鎖的に値下がりした割安な株をもとめて証券会社に取引口座を開設する人が多くいたのも確かです。しかしながら、新規に株式市場に参加する個人投資家のうち、実に9割以上の人は一年以内に資産を大きく減少させて市場から撤退していくと言われています。それだけ競争が厳しい世界であり、安易に儲けを求めて参加すると痛い目を見るということがわかります。証券会社によっては初心者用に仮想取引ができる環境を用意しているところもありますが、ゲーム感覚で何億もの取引を行うのと、実際に自分の財布にあるのと同じ一万円を掛けてトレードをするのはまったく異なるものです。インターネットのデイトレーダーのブログを見ると、大抵の人は「損切り(そんきり)」ができずに大きな損失にあって資金を減らします。損切りというのは購入した株価がある一定のラインまで下落した場合に損失を確定するために売却することをさします。それ以上損失が拡大することを防ぐ代わりに、もしかしたらその後に株価が再度上昇する希望も捨てることになります。実際に購入して株価が下落すると、大抵の人は「せめて買値まで戻ってから売却しよう」とか「もしかしたらリバウンドするかも」という思いに駆られてしまい、損切りをすることができません。逆に言うと、損切りさえ機械的にできるようになればデイトレーダーとしての成功が約束されているともいえます。

実に単純な必勝法

デイトレードにおいて損切りの次に難しいのは、利益を確定するタイミングです。一度損失を経験してしまうと今度は少しでも利益が出ると売却したくなります。このように、初心者が陥りがちなのは株価が下落しても損切りできず、どうにもならなくなってやっと売却するか、あるいはそのままいつか上昇するかもしれないという根拠の無い希望にすがって持ち越してしまうという損失を拡大する傾向と、少しでも利益が出たら売却して小額な利益のみを繰り返すという習性です。こつこつと小さな利益を積み重ねていても、一度の大きな損失でトータルでマイナスになるのが一般的です。これはデイトレーダー達には「コツコツドカン」と呼ばれています。コツコツと積み上げた利益を一回の損失で吹き飛ばしてしまうという意味です。しかし普通の感覚でいる以上はこのようにして資産を減少させていく一方です。では、どうすれば株式市場を相手にして儲けを生み出すことができるでしょうか。それには、コツコツドカンとまったく逆のことをすればよいのです。思惑と外れて株価が下落したらすぐに損切りをするのと、株価が上昇したらなるべく利益を伸ばしていけば自然と資産が増えていくという寸法です。そして二つ目に重要なのは、この損切りと利益確定の値幅は事前に自分のルールとして決めておくことです。後は注文が約定したら多くの証券会社で採用している逆指値付き注文によってルール通りの注文を出すことによって、損失を小さく、利益の大きいデイトレードをすることができるようになります。